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頚随損傷の排泄問題から話しが進み、市議会での対応まで話しが広がってしまった

 ほとんどの頚随損傷の人の1番の悩みは、排泄であろう。

 

 排泄機能に障害のある私の排便は、3日おきにしている。下剤で6時間ほど掛けて下ろし、座薬や摘便、腹圧を掛けたりして便を出すのに2時間ほど掛かる。

 

 今日は、前回あまり出なかったせいか、早く下剤が効きすぎてしまった。妻がまだ帰ってきていないため、急きょ訪問看護を呼んだ。訪問看護さんは、すぐに来てくれて適切に対応してくれた。おかげで8日分たまっていた便が大量に出た。大変だったが、便が下りきってから排便したので1時間ほどで済んだ。

 結果的に便が出て、安心した。

 

 頚随損傷になってから、排便で毎回一喜一憂するが、少しずつ私の気持ちも変化している。手の指が動かない私は、排便に人の手を借りなければならない。便失禁すると、その処理まで人にやってもらわなければならない。

 

 頚随損傷となって数年の初心者の頃は、便失禁をして妻に処理をしてもらうたびに、自分の情けなさに涙を流していた。元看護師である妻でも、やはり妻なので、妻に処理してもらうとなると申し訳ないというか、情けなさでいっぱいいっぱいであった。この初心者の頃、よく死にたいと考えていた。

 

 その後、訪問ヘルパーを頼むようになってからは、不思議と涙を流さなくなった。処理をしてもらって申し訳ないという気持ちが薄らいだのかもしれない。

 

 その数年後に、訪問看護が緊急に来てくれる制度を知ってからは、さらに気持ちが変わった。選択肢も増え、いざというときは頼めるという安心感を獲得したからだと思う。

 

 その数年後に、伊勢崎市議会議員になった。

 車椅子の私のために、議場のバリアフリー化をしてくれた。座席の固定イスを撤去してくれて、通路幅を広げるためにテーブル幅も狭めてくれた。もちろん段差はスロープを付けてくれた。登壇する机を電動で上下する議会もあるが、私はそこまでやらなくていいと言った。バリアフリー化は、議場の外の現実社会に掛けるべきで、議場内のバリアフリー化が必要なのは私1人だけなので必要最低限で十分という私の考えを尊重してくれて、私が登壇するときは、議会事務局が机を持ってくるという方法になっている。

 採決も起てない私のために「起立または挙手」となった。おかげで、他の議員も挙手をする方がいる(笑)

 汗のかけない私は、暑いのに弱いので、エアコンの設定温度も配慮をしてくれている。おかげで他の方が、寒がっているときもあり、少し申し訳なく思う(笑)

 さらに、議会中に、万が一、尿漏れや便失禁をしたときに処理ができるように空き部屋にベッドや備品まで用意してくれている。3年間の今までで、何回かその部屋を利用させてもらっていおり、本当に有り難い。

 ウロバック(尿をためておく袋)に穴が空いてしまったこともあり、そのとき議会事務局の方が総出で対応してくれたことは、一生忘れないであろう。

 年に一度の行政視察に行くときも、議会事務局の方が1人多く同行してくれる。

 

 議員になった初日に、議会事務局の方が、不安に感じていることを教えてほしいというので、包み隠さず私は全てを相談した。その結果、上記のような対応をしてくれている。

 

 双方が建設的に話し合い、過度な負担とならない範囲で行うことを合理的配慮と言うが、伊勢崎市・伊勢崎市議会・議会事務局は頚随損傷の私という議員に対して、最上の合理的配慮をしてくれていると認識している。

 

 新人議員である私に対して、「あれはよくないぞ」とか指摘してくれる先輩議員もいる。時には怒られることもある。重度身体障害者と見られていなくて、普通の1議員として見てくれていると感じ、内心とてもうれしい。

 

 これらの関係性は、他の自治体に対しても、自慢してもいいレベルであると思う。

 

 排便のことを書くつもりであったが、筆が進んで重度身体障害者である私への議会対応まで話しが進んでしまったが、ここまで、詳しく書くのは、議員になって初めてである。

 

 誰かの参考になればと思い、ブログに書いてみた。

 

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コメント: 2
  • #1

    中山 (日曜日, 09 5月 2021 05:21)

    排泄は生活していく上で大切なことですが、プライバシーに関わることでもあります。知ろうとしなければ、あるいは教えていただかななくては気が付かない事です。伊勢崎議会事務局等の素晴らしいところは、最初にどんな配慮が必要か高橋さんに聞いたところだと思いました。伊勢崎市民としてちょっと嬉しく誇らしく感じました。貴重なお話ありがとうございました。

  • #2

    高橋 宜隆 (日曜日, 09 5月 2021 16:49)

    中山さん、コメントありがとうございます。
    私自身、排泄等も話せるようになったのは、周りの人たちの理解力はもちろんですが、時間と社会資源の活用方法を知ったことも大きかったです。
     このようなことを話せるようになった今、多くの人に知っていただきたいですし、次世代の若い方たちにも伝えていきたいと思います。
     
     議会のことを何も知らない私に対して、議会事務局が素直に聞いてくれたことが、本当に最大のポイントでした。
     立ち位置の異なる人のお互いの理解の好事例だと思いますので、広げていきたいなと思いますね。