伊勢崎市図書館課所管施設個別施設計画では、伊勢崎市図書館は大規模改修を行ないながら、あと20年以上現在の建物を利用する計画になっています。
※個別施設計画は、高度経済成長期に急激に建てた建造物の大規模改修などによる長寿命化や建て替え、統合、廃止など市全体の公共施設を計画化して、市の財政負担の長期間での平準化する計画を作るように総務省からの通達によって作られたものです。
財政的平準化を第一としているため、建物の躯体や設備の詳細な改修計画まで、精度が上がっていなく、ましてや、近年の建設費高騰や市内の状況、市長や議員、市民のニーズにより変化しますので、計画は何年かおきに見直され、実情に合ってくるという状況です。
伊勢崎市図書館に移転に反対というご意見もよく分かります。
しかし、伊勢崎織物協同組合の所へ移転し、図書館を複合施設の核にしようとしている市の意向もよく分かりますし、高橋もその意向に現在、賛成です。
なぜなら、
①今の1階部分は手狭で、車椅子や台車で通路を通るのがやっと。水回りやエレベーターも時代に合っていない。3階の書庫が機能が古く、数量も限界に近い。
②築48年のため、長寿命化しても、あと数十年しか利用できず、今の段階から年間30万人弱が利用する図書館を移転し、ひとりのスペースをゆとりのある現代的な図書館にするタイミングである。
③現在の図書館の場所は、旧伊勢崎藩があった、まさに伊勢崎市の中心地。伊勢崎織物協同組合の所へ移転するということは、300m東へ移転するということで、本市の文教地区内であるから。
今回のタイミングを逃すと、文教地区外に移転するしかありません。
④まちなかの活性化策を様々な形態で全国の自治体で行なっていますが、失敗例の方が多いのが現実です。一方、図書館を核とした、まちなかのゆるやかな活性化は、近年全国でも増えており、成功している方が多いと思われます。
ちなみに、現在の図書館の建物の躯体は、築48年とはいえ想像以上にしっかりしていますし、広瀬川沿いという最高のロケーションで多くの市民からも慕われています。
文化や歴史の展示場や市民ギャラリーなどで、今後数十年活用ができると高橋は、感じています。
それにしても、伊勢崎市と伊勢崎織物協同組合とで官民連携の複合施設をつくろうという案が当初でましたが、外部有識者や民間事業者、議員からの意見を聴きながら、図書館移転案が途中から追加浮上されました。
図書館移転においては、市民から広くアンケートを募ったりと、市民の意見を聴く姿勢がありました。
一方、伊勢崎織物協同組合との絡みがあり、市が単独で動けない事情があることは分かりますが、当初の官民連携複合施設化案は、有識者・民間事業者・郵便・鉄道事業者の一部の方たちの意見しか聴かないまま、大手建設コンサルタント八千代エンジニアリング(東京都)に基本構想つくりを2,400万円で委託しました。
https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/kikakubu/jimu/gyokaku/19758.html
市は、基本構想策定後に、市民の意見を聴くと言っていますが、なぜ最初から意見を聴かないのか?高橋には疑問しかなく、市民の声を聴けば収拾が付かなくなるとでも思っているのかと、疑ってしまうほどです。
そのため、令和6年9月議会の一般質問で、「今の段階から市民の声、特に地元住民の声を聴くこと。今回のように複雑に絡み合い、事の経緯を理解している市民はほとんどいないため、せめて経緯と現状をていねいに説明するべき。」と質問しました。
それを受け、10月に北地区・南地区の区長会にて説明会を行なったとのことで、11月1日から市のWebページにて30ページに渡る説明資料が公開されました。
https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/kikakubu/jimu/gyokaku/13486.html
一歩前進となりました。
これを機に、高橋もさらに市民の方たちに周知や意見交換を積極的に行なっていこうと思います。
ちなみに、伊勢崎織物協同組合の場所で、図書館を核とした官民連携複合施設化のことを、「伊勢崎市中心市街地にぎわい創出拠点整備」と名付けています。
当初の伊勢崎市と伊勢崎織物協同組合が主体となって、にぎわいをつくる官民連携複合施設の案を議会で聞いたとき、全国の事例のように失敗するのではと感じ、高橋を含む多くの議員から今まで質問が投げかけられてきました。
その後、図書館を移転し、公共部分の核とする追加案が出され、少し安堵しました。
しかし、これほどの一大プロジェクトを一向に市民から意見を聴かず、周知も少ないままに地元議員として大変危機感を持ち、多少強い口調での一般質問となりました。
市民、特に、地元の住民は、想いが強く下町気質です。キャッチボールを行なわないで、進めていき、あまり上手くいかなかったという最悪の場合、市長や現職議員の信頼が失うなんていう些細なことでなく、今後数十年、現役や次世代の市民の方たちに負の遺産を残してしまうことになります。
高橋は、慎重すぎると考える方もいるかもしれませんが、50億円くらいかかるかもしれなく、「にぎわい」という雲をつまむ分野において、慎重すぎるくらいでちょうどいいと思います。
高橋の一般質問 令和6年9月議会
2.まちなかの活性化について(録画配信8分45秒~29分45秒)
https://isesaki-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1279
ぜひ、皆様からの感想・疑問・ご意見をお聴かせください。
また、大変複雑に物事が絡み合っていますので、おっしゃっていただければ、いつでも高橋が説明にうかがいます。
お気軽に、どうぞ。
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けんもち (月曜日, 04 11月 2024 20:32)
伊勢崎藩の跡地ということは、それに見合った復元を計画されるのでしょうか?
高橋 のぶたか (火曜日, 05 11月 2024 08:24)
けんもちさん、伊勢崎藩に見合った復元は、おそらくありません。
伊勢崎藩のあった場所で、伊勢崎市の実質的な中心地で、ここを起点に道路が放射状に広がっているので、にぎわい拠点としても理にかなっていますし、300m東へ移転したとしても文教地区内のため、許容範囲内ではないかということを、お伝えしたかっただけです。
紛らわしい説明をしてしまい、申訳ありません。